− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 −◆  井山 直子 編


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 9 −

第9回目、スペイン滞在残すところ後1日。最後のスペイン通信となりました。こ こSevillaに住んで1年と3ヶ月。ここ何日間か出逢った人々に別れを告げる日々が 続いています。思いもかけなかった心使いや温かさにふれ、知人、友人それぞれの優 しさや思いやりを本当にうれしく感じています。このSevillaで過ごした期間、私の 精神状態は山あり谷ありどころか、ガケあり、雲の上あり、海の中ありと本当に大変 な状態でした。それでも人との出逢いや話、身近な人の優しさや思いやりにどれだけ 救われ、力をもらったかはかりしれません。決して独りでガケから落ちずに助かった り、海の中から浮き上がったりしたわけではないのです。 生活の中での人との接し方、そして思いやりや優しさが、そのままフラメンコへと 通じているという事もこの1年で感じられつつあるようです。フラメンコを踊るとい う事においては、自分の実力と限界、出来る事と、出来ない事をまざまざと感じまし た。あれも、これも出来ないという事も。でも、知人が言ってくれました。「自分 の限界を知ることは、1つの可能性だ」と。今後、自分の出来る事をやっていくしか ないのだと、そして自分なりにフラメンコを愛していこうと。それが、スペイン人に 比べるとつたない物だとしても。。。 最後にこの場を提供して下さった慶子先生と、あきらめずに、我慢強く共にいてく れた相棒に心からの感謝の気持ちをおくります。読んで下さった皆さんともいつかど こかで出逢えることを願って。 2003.9.16    小菅 理恵

-ふっちーのコメント9- このスペインでの生活が何だったのか、これは今後の生活の中でゆっくりと消化さ れ本当の意味で理解し、生き始めるのだろう。自分の五感、細胞で直接感じる事の確 かさと豊かさを信じ、筆をおきます


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 8 −

スペイン通信8回目、こちら真夏のセビージャはまさにアンダルシアのフライパ ン状態!ジリジリの暑さと熱帯夜が> 続いております。   頭にアイスノンと体には扇風機で何とかしのぐ日々。。。  さて今月> 7月はというと、相棒ふっちーがコルドバのギタークルシージョに出か け10日ほどセビージャの家を留守にした。この間私は独りの気楽さと解放感をかみしめ充実し た日々をおくったのであります!なんと家の中の静かな事。そして1人いないだけで なんと部屋が散らからない事。いつも以上ににそうじなどをしてしまい、定位置に片 付けられた物の間で独りカフェを飲みながら悦に入ったりしていた次第です。自主練 へと通うその通い慣れた風景もどこか違って見え、足取りも軽く、スタジオでの集中 力のなんと高い事!うーんあの解放感と新鮮さはなんだったのだろう!そうそうこの 10日の間に、とある知り合いの日本人がこのセビージャで踊ると聞いて見に行っ た。1部2部と分かれており、日本人のギタリストとヘレスの若い唄い手のメン バーで、踊り手は彼女1人。この空間踊り手1人ではと多少の不安もあったのだが、彼 女ふっ飛ばしてくれました!!グイグイと周りを引き込みエネルギー溢れるとても良 いステージだった。ほとんど同じ時期に渡西した彼女。1年の間本当に頑張ってきた のだなあと私は熱い思いにかられた。彼女の意気込みと勇気に私は拍手をおくります! この日相棒のいない解放感からか帰り途中Barへとひっかかり帰宅は午前3時ごろ とあいなりました。そうそうもうひとつこの10日の間に私は家に友人を招きFiesta を行った。Fiestaといっても、飲んで、しゃべって、食べてまた飲んでなのですが、 昼から豚の角煮を煮込み、買出しに走りまわり、この1人での準備も又なかなかワク ワクするものだった!酒ビンが何本空いたことだろう。。。夜(夕方)8時半頃集ま り解散したのは次の日の朝7時。うーんさすがに次の日はダウンだったのだが楽し かった!!!この後相棒からTELが入り、予定より1日早く帰るとの事。えー!!相棒 気をつかって「1日早く帰ってもいいでしょうか?」と聞くので「もちろんですよ。 待ってまーす!」と一応答えておいた。現在相棒はコルドバから戻り、またしても にぎやかで、部屋の散らかる日々がつづいています! では又  ・・・

-ふっちーのコメント8- 先日年に一度の祭典とも言うべくコルドバギターフェスティバルのクルソに参加し た。この間フラメンコギターのみならず、JAZZ、クラシコ等各種のクルソ、コン サートが毎日行われ、ギタリストにとっては魅力的な催しである。朝はメスキータ前の 広場で指ならし、そして4時間のクラスを終えた後は宿で練習、夜はコンサートとい う毎日。マノロ・サンルーカルをはじめとする巨匠たちのレッスンは僕に大いなる希 望と挫折を与え、そして世界中から集まるギタリスト達との出逢いは僕を大いに癒し てくれた。セビージャで留守番してくれた相棒よ、僕だけ楽しんでごめんなさい。では!


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 7 −

第7回目、暑い!とにかく暑い!セビージャは暑い季節となってきました。早いも のでこちらに住んで1年を迎えようとしています。そうそうこの暑さだったなあとア スファルトの照り返しを見ながら来た頃を思い出す日々をおくっています。40度近い 暑さの中、スペインの女性達はどんどん露出度が高くなり私も負けずに肩を出し、へ そを出し歩き回っています。さて、今回はフラメンコから少し離れてお伝えしましょ う。5月の終わりにplaya(ビーチ)へと行って来ました。何とも笑えてリフレッ シュする体験でした。このplayaはサンルーカルの近くの穴場と言われているらしい場 との事。お昼過ぎに車に乗り込んだはいいが途中でめずらしい渋滞にはまり1時間 く車の中で蒸される事となってしまった。すでに3時近くになっておりplayaで食べ るはずのボカディージョを車の中で齧っていると、目の前でたまりかねたスペイン人 のお姉さん達がガンガン音楽をかけて踊り始めた。更にそのお姉さん達車から降りて 水着になり、サンオイルをぬって体を焼きだした。4人もの若い女性が水着でサンオ イルをぬりながら道路で踊っている姿は見ものだ!そして笑えるのが通り過ぎるスペ イン人男性の車の反応。反対車線から走ってくる車全てがゆっくりスピードを落と し、若い人もおじさんもさらにおじいさんに近い人もニッタリと笑い、クラクションを 鳴らしオーレ!と叫び、ヒュー!とはやしたてぎりぎりまで首を後ろに残しうれしそ うに通り過ぎて行く。無視する車など1台も無い!!皆が同じような顔をし同じよう な動きで必ず反応して過ぎていく。やれやれと思い、ちょっと感動すらしてしまった。 何なんでしょう、このエネルギーは。。。。。 そう、そうして着いたplayaだったがここは素晴らしく美しい所だった!松林とめ ずらしい植物や花の中を通り抜けて出た砂浜と海は切り取られた絵のようで、(久し ぶりだったのでちょっとオーバーになっているかもしれませんが)渋滞のことなどは 吹っ飛んでしまった。ただそのビーチ、脱いでもオッケービーチとの事でイヤーい ましたいました裸の人々。30分もいれば慣れてくるもので、目の前を歩かれようが不 思議と気にならなくなるもの。もちろん水着をつけている人もいれば、水着の上の部 分だけとっている人もいれば自分の気持ちいいように、したいようにしてリラックス している。私も水着の上の部分を外し体を焼きその辺を歩き回り海にも入った。これ が気持ちいい!!はじめての体験だった。。。 男の人たちの素直な反応といい、スペインお姉ちゃん達の行動といい、playaでの 人々といい実にあっけらかんと明るく堂々としたもので、恥ずかしいなどと思った り言ったりしているのはひょっとしてただの自意識過剰なのかもと自分のことを思っ たりした次第です。こういう感じ方や態度踊りに出ますね。きっと。  では又!

-ふっちーのコメント7- スペインに住んで1年。思い出してみるといろいろな経験をした気もする。しかし ひとつ経験していない未知の世界があるのだ!それは床屋さんである。なぜか怖くて 入れないのだ。おかげで僕の髪の毛はロン毛になってしまい今後について真剣に悩ん でいる次第である。ではでは・・・


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 6 −

第6回目、こちら4月のセビージャはセマナ・サンタにフェリアにと興味深くそして 心躍る1ヶ月でした。セマナ・サンタでは、イエスキリストが十字架にかけられ復活 するまでの行程がpaso(山車)によって現され長い行列が続きます。明け方に見たLos gitanosというpasoで、十字架を背負い引きずるように歩いてみえるキリストの姿 に私は言葉が出なかった。そしてフェリアでは昼に夜に真夜中にと通い、踊りはしゃ ぎおおいに楽しんだ。そして今、祭りのあとはちょっと淋しい。。。という感じ。 さて、今回は第2段私が出逢った師としてファナ・アマジャとファルキートについ てお届けします。ファナのクラスを取り始めたのは渡西して3ヵ月後の9月の事。初め てのクラスで、彼女の振りの中に流れる空気に私は喜びに満たされた。踊るときに気 持ちが開かれていくような・・・これは何なのだろうと考えてみたが、振りに彼女の 精神性、コンパス、リズムが一つとなって現されている事が私には心地よかったのか もしれない。私は唄振り、エスコビージャと分けて考えがちだった。例えば、唄振り の時には唄と体の使い方に重きを置き、エスコビージャでは足とリズムになど。で も、彼女の唄振りにはコンパスがリズムがあり、それに自然に体やブラッソがついてい く。エスコビージャの時にも唄振りから続くように足の音にうたがあるのだ。そし て全体を包む突き刺すような気迫を伴い全てが一つに繋がっていた。私の意識はここ に来て少しずつ変わりはじめたような気がする。足のパソについてファナはよく私達 に言った。「強いだけで醜いfeo!」と。もっと静かにこう!とやってみせるその音に は音色がある。ブレリアのマルカールの時にもうたがある。「それは何?このマル カールにはヒターノの調べがあるのよ!」とも言った。強く速く動かすよりも百倍も難 しくコントロールが必要とされる「うたうという事」。これは私の大きな課題で、最 終的には全て1つに繋がることができたらと願っている。 そしてファルキートのクラス。初めて取ったのは今年の1月の事。気後れしつつも 10日間のクルソをすると聞き、この門を叩かずに日本に帰るのはと迷いつつ受けてみ ることにした。衝撃的だった!ファルキートの足の音を聞いた瞬間ぶっとんだ。プラ ンタ1つの音が土にグサッと刺したナイフのようなのだ。マルカールののりも今まで 見たことがないようなもので、特別の呼吸がある。動き一つ一つに誇りがあり、それ は奥深い精神性から発せられるている事は間違いない。その裏には受け継がれてきた 知識と確実に積み重ねられたテクニックがある。彼らファミリアには私達が呼んでい た基礎とは比べようもない確かな基礎がある。彼は、パソ、マルカール、唄、ギター について時には熱く語ってくれた。そして、聞きなさい!と何度も言った。パソのう たい方も火傷しそうなレマーテへと持っていく音の流れもよく聞いて!!と。そして その時の気持ちはこうだ!と破裂しそうな気迫を込めてやってみせてくれた。友人が 放射能をあびたようになると言っていたが、本当にそのとおりだった。この10日間の 後3月から始まった1ヵ月半のクラスにも通ったが、毎日が戦いだった。自分の姿を直 視せずにはいられない。足りないものだらけだ。強いエネルギーから逃げたい気持ち に何度もかられた。でもこのクラスを取り終えて私は確実に大きな財産を得たと心か ら思う。これが活かされるのはこれからと信じつつ。。。では又!

−ふっちーのコメント6− 4月はフェリアがあるという事で僕もセビジャーナスを覚えてみることにした。Rie さんとの深夜のレッスンで何とか4番までマスター。まだあやつり人形のようにしか 踊れないけどこれが結構楽しい!!とりあえず美しいスペイン人女性をエスコート出 来るようにならなくては。。。


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 5 −

スペイン通信5回目、こちらセビージャは真っ青な空にいろとりどりの花が咲き始め 美しい季節となってきました。うす紫からピンク、オレンジへと変わっていく夕暮 れの空に見惚れ思わず立止まってしまうような今日この頃。と同時に戦争も始まり何 ともいえないような思いも抱えつつ過ごしております。3月は忙しく動きまわり刺激 の強いひと月でした。ヘレスのフラメンコフェスティバルがあり、グラナダへも行 き、セビージャでは毎週のようにテアトロに通い、ファナ・アマジャのクラスとファル キートのクラスをかけ持ち、私の体力は限界に達していたと思うのですが、その度 新鮮で刺激的で興味深かった。 まず、ヘレスで初めて見たドローレス・アグヘータにショックを受けたまらない思 いにかられた。ヘレスの美術館でマイクを通さない生の声が一瞬爆発したように発せ られた時、周りの風景は一変し空気が一瞬で変わったように感じた。出てきたとき は、ニコニコと愛嬌すら感じられたドローレスなのに声をふりしぼった途端彼女の眼は 変わり、純粋さと野生味とがいっしょにそこに感じられ私は胸を大きく衝かれた。。。 そして、テアトロビジャマルタで行われた踊りでもメルセデス・ルイス、作品を 踊ったジェルバブエナ、ラファエラ・カラスコなどもとても興味深かった。メルセデスは、 ヘレス出身のコンクール受賞者だということもあり、会場は大きく沸き上がり 潔い彼女の踊りに私もグイグイ引き込まれた。 次にグラナダでは丘の上に建つチュンベーラというテアトロで日本の小松原舞踊団 がロルカの題材で公演すると聞き見に行った。そこのテアトロは舞台のバックが鏡張 りになっており、本物の月と星そしてライトアップされたアルハンブラ宮殿が客席か らいっしょに見渡せるつくりでその美しさにはため息がでる。客席も満員で会場も大 変沸いていた。私もスペインのテアトロで日本人が踊るのを見るのは初めてで、とて も興味深かった。 そして、セビージャでは、フェルナンダ・ウトレーラのオメナヘが行われ、そこで 唄ったパケーラ・デ・ヘレスにはたまらなく嬉しくなった。ここでは多数のアル ティスタが出演しており、ファナ・デ・レブエロ、マカニータ、テレモート、フェルナ ンデスファミリアでは、エスペランサ・フェルナンデスにコンチャ・バルガス等など。 その出演者ごとにプレゼンターがいて。パケーラの時は衣装ではなくドレスアップ したマヌエラ・カラスコとアントニオ・カナーレスがマイクの前で話をし、パケーラ を紹介した。彼女の唄う姿と唄には胸熱くなり私は喜びに満たされた。それぞれのア ルティスタも素晴らしかったが、パケーラには最高に胸高鳴った。この時突然、マヌ エラ・カラスコとカナーレスがパルマで参加し、パケーラのブレリアでさらに飛び出 してきて踊ったマヌエラとパケーラのなんとフラメンコだった事か!!そこに居合わ せ事に感謝した!!! そして大きく胸に染みる事は、フェルナンダ・ウトレーラの名のもとにアルティスタ が集まり、観客も集まっているという事。一度直にフェルナンダのソレアを聴きた かったという思いが残り、独りで唄うベルナルダの唄と姿にも涙が出そうになった。 ざっと書き連ねましたが、3月から再び始まったファルキートのクラスとファナの クラスで心も体も大変なテンションとなっている中、あちこち動きまわりこのような 刺激の強い一ヶ月を過ごした次第です。こちらに住んで9ヶ月、ここ最近ぐんぐんと 凄い勢いで私の奥にフラメンコが入ってくると感じています。残り3ヶ月、さてこの 先どうなる事やら。。。では又!

−ふっちーのコメント5− 今月はあまりに多くの出来事が僕の精神に問いかけをしてきた。これは自分にとっ て 喜ばしい事であると同時に今までの自分を否定しかねないやばい状況でもある。こ れでは何の事かさっぱり意味不明だと思う。僕も意味不明なのでとりあえず空と雲と 鳥達と話をしてみる事にする。では。


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 4 −

第4回目スペイン通信、これを書いている今日2/28は相棒ふっちーの誕生日です さて、今回は前回に引き続きファナ・アマジャと ファルキートのクラスについてお伝えしようかとも考えたのですが、ちょっと私に とってヘビーな為もう少し先送りしたいと思います。(いまいちうまく言葉にしき れないので、熟成させます・・・)そこで今回は身近で会ったちょっとフラメンコな 人々について。まず、おもしろいのが家や建物を造っている工事現場の人々。私達 の家の前は6月に来た当初から家を建て直しており、5、6人の人達が出入りしている のですが、この人達が異様に明るい。唄う!笑う!ひやかす!日本の黙々と工事する 人達とは随分様子が違う。ある時はセビジャーナスを唄う声が聞こえてきたり、この 間はカナヅチを叩く音がコントラになっていた!1人が休んで又叩きはじめると、一 瞬ずれるのですが、いつのまにか又コントラになっている。私達はやっぱりかけ合い のコントラが気持ちいいのだろうと妙に納得し笑ってしまった。私が自主練用に使っ ているスタジオも現在工事中で(セビージャはあちこち工事だらけ。これがなかなか いつまでたっても終わらない。)そこにいるアントニオとか呼ばれていたおじさんも カナズチ片手にいつも唄っていた。ブレリアにソレアにと・・・微妙に音程が外れて いようがおかまいなしに大音量で気持ちよさそうに。。。周りから苦情が出ないのも スゴイ! それから先日空港まで友人を迎えに行った帰りのタクシーでの事。友人はギターを 持っていたためか、運転手さんは「フラメンコをやるのか?」と聞いてきて「学ん でいる。」と答えたところ、「アントニオを知っているか?」と言うので、皆で「ア ントニオ!?」どのアントニオ?運転手さんの知り合い?なんて思っていたところ、 「マエストロだぞ!」と言うので、又へーなんて思っていると、ビニール袋をガサ ガサいわせて運転しながらテープを大量に出してきた。わーお!なんとアントニオ・ マイレーナの事だった。知り合いみたいに言うものでアントニオ・マイレーナだなん て思いも浮かばなかったじゃないですか!!という感じ。その後到着するまで、この テープをかけながら彼はハンドルを叩いてオーレ!なんてやっていた。こちらは ちょっと危なくてヒヤヒヤものでしたが・・・ それから、去年起こったトリアーナのとあるBarでの事。この日はカナダ人の友人 ジェフが初スペイン旅行で、セビージャに来ており私達と3人で食事をしていた。 この時彼の29歳の誕生日を祝っていたのですが、Barの奥で輪をつくって12、3人の Fiestaがはじまり、唄にギターにパルマにと聞こえてきて、私達は興味津々で見て おりました。他の客はほとんど関心なしという感じ。少しするとそこのおじさんが やって来て「フラメンコ好きか?」と聞いてきてやはり「学んでいる」と答えると、私 達のFiestaに招待したいと言ってくれた。3人の席を皆の間につくってくれ、私達も仲 間に加わった。座っていた女の人達が踊りだし、嫌な予感どおり私にも踊れと言っ てきた。断りきれず、ルンバを踊らされた。最後には唄い手が唄いながら席までエス コートしてくれた。プチっと何かが切れてしまったように踊ったとしかおぼえてい ないのですが・・・彼もギターを弾けと言われ、唄い手に顔を近づけられながらギ ターを弾き、フラメンコはじめてのジェフも素人とは思えないリズムでパルマを叩いて おりました。私達は朝方3時すぎに抱き合い、お礼を言って皆と別れたのですが、本当 に楽しかった。ジェフも「僕にとって最高の誕生日だった!」とご満悦で、「僕は カナダに帰ったらスペイン人になる!!」などと言っていた。このジェフもちょっと フラメンコな人の1人に加えたい! では、また・・・

−ふっちーのコメント4− 以前、毎朝近所の公園でギターの朝練をしていた。これがまた色々な人々が現れ る。 チンピラ風のお兄ちゃんがいきなりソレアを唄ってくれたと思えば、ドラッグ売り が現れる。犬に砂をかけられたかと思うと、その飼い主にシギリージャを弾いてみろ!! なんて言われる。あるおじさんにMejor! と言われて喜んでいると、別の人にはうるさい!と怒られる。そんな事を続けてい ると、何時の間にか知り合いが増えて、道端で「練習しろよ!!」と声をかけてもらっ たり、パコ・デ・ルシアのCDをプレゼントされて、もっとよく聴けと言われたり。 こんな小さな出来事を僕は大切にしたいし、感謝したい。では。!!


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 3 −

皆さんお元気ですか?スペイン通信3回目ともなれば少しは慣れてきそうなものです が、いまだ何をお伝えしようかとオタオタしております。一月末のこちらセビージャ は、Menos frioになりつつ(寒さが薄らぎつつ)あり、春の到来もまもなくのようで す! さて、今回は私が出会ったフラメンコの師やクラスについて少しお伝えしたい思いま す。 まず現在隣に住むマリア、デルマル、ベルランガについて。。。 彼女は私達に住むところを提供してくれたオーナーでもあり、私達にとってちょっと 恐い良きお姉さんのような存在とでもいいましょうか・・現在の家を借りるにあたっ て、彼女自ら部屋の案内はもちろんガスの使い方から洗濯機の使い方まで、こと細か く説明して周ってくれました。私は彼女の空いた時間を使い、一ヶ月個人のクラスを 取りました。窓越しにコツコツと音がして窓を開けるとマリアが立っており、「Rie レッスンやるわよ!」の感じで、レッスン着のまま隣に行くと言う日々でした。彼も 同じようにお呼びがかかるとギターを弾きにいくという日々が現在も続いています。 彼女からは、踊るための基本的な動きを見直してもらい、唄やギターと共に感じる 事、またそれを表に出す事をあらためて学びました。私の動きが全て小さくまとまっ てしまう事を強く注意され、ブラッソから、ファルダの使い方、マノの使い方、空間 の使い方など基本に立ち返って全てやり直したという感じです。それでも自分の癖と いうのはなかなか抜けず、とまどいと打ちひしがれた思いを抱えてウツウツとしてい た頃が思い出されます。 盛り上がりの振りの部分でも、「そんな中途半端じゃ何をしたいかまるでわからな い。自分に対して気持ちの中でもっとハレオをかけなさい!」と言われ、ああ、そう か!自分でこの位と思うくらいじゃまるでたりなかったのだと、あらためて気付かさ れました。1ヶ月のレッスンを終えて、他のクラスに通うようになってからも、彼女 の言った言葉が何度も蘇りました。その時は、窮屈にすら感じられた事も後々本当に 実感として彼女の言っていた事がわかる瞬間が何度となく訪れました。現在彼女は出 産をひかえながらも元気にクラスを続けており、毎日隣から彼女の唄とパルマ、足の 音が聞こえています。 次に、渡西してすぐに2ヶ月通ったホセ、ガルバンのクラスについて。。。 見学に行ってはじめて会ったホセは、単パンにTシャツ、ふくらはぎまでの靴下に黒 い靴と何ともとぼけた雰囲気でマエストロというより、人なつっこいかわいいおじさ んという感じでした。(スミマセン)彼の足の音は本当に美しく、リズム感とコンパ ス感は凄い。そして動きの何とも粋な事。でも私は、はじめてのスペインでのクラス という事もあり、振りを追うのに必死になり、その動きの粋な部分は吸収出来ずじま いだったように思います。振りの進むスピードもはやく、2ヶ月の間にシギリー ジャ、ガロティン、グアヒーラと3曲。ふうー・・・息切れ寸前の状態になってしま い、もう少しゆっくりと腰を落ち着けて学びたい思いもありこのクラスを離れたので すが、時々通りでホセに会い、彼の笑顔と眼に出会うと何ともたまらない胸の痛い熱 い思いが込上げます。 彼は、非常に料理がうまくフィエスタ好きで、彼の家で大勢で飲んで騒いだこともな つかしく思い出されます。レッスン後の、あるフィエスタの前に、「Rie!夜のフィ エスタの買い物だけど・・・」と言われ「ごめんなさい。疲れたので今日は帰ろうと 思う。」と言うと、何とも淋しそうな顔をされ、「わかった!やっぱり行くわ。」と 言ってしまった事もありました。(笑) 又機会を見つけて大人数のクラスではなく、別のかたちでホセから学びたいという思 いが私の中にあります。 さて、この後私の中で大きな転機となったファナ、アマジャとファルキートのクラス の話があるのですが、今回ではなくそのうちお伝えしたいと思います。。。それで は、又!

−ふっちーのコメント3− 雨の季節も終わり青空の続く今日この頃。ぽっかり浮かぶ白い雲を見上げながら、思 わず微笑んでしまう。先日ギターの練習の休憩で外に出たところ、足の悪いおばあ ちゃんに出会いどういう訳か家までエスコートすることになってしまい、そのおばあ ちゃんと腕を組んで小道を歩いた。僕の足で1分程度の距離を10分かけてゆっくり 散歩した。今度そのおばあちゃんの為に曲でもつくってみたいものだ。それでは!!


>>− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 2 −

今年も押し迫ってきましたが皆さんお忙しい日々をお送りでしょうか?こちらセ ビージャはNavidadを終えほんの少しひっそりという感じです。Navidad前の1週間は通 りからも子供達が唄うビジャンシーコが聞こえ、テレビも店もデパートも大変な盛り 上がりでした。私達はそのクリスマスイブから25日にかけてCavaを飲み、ワインを飲 み、鳥の丸焼きを食べ浮かれきっておりましたが、こちらはカトリックの国とあって2 4日の深夜にはローマ法王の映像がテレビから写し出されており、なんとも荘厳な感 じがしました。 さて、今回は2回目のスペイン通信ということですが、フラメンコについて少しお 伝えしたいと思います。1週間ほど前、ジェルバブエナの公演がエルモンテのホール であり見に行ってきました。カンテは、エンリケ・エル・エストレメーニョとエンリ ケ・ソト、セグンド・ファルコン。ギターは、パコ・ハラーナともう一人。それに パーカッションとフルートと。踊り手はジェルバブエナ1人いう編成。曲目は、シギ リージャ、タラント、ポルブレリア。彼女の踊りは、はっとするほど力の抜ける瞬間があり、 それがまたかっこいい!私は彼女のその力の抜ける瞬間に 胸をうたれました。渋い!!マルカールしてるだけの時もなんとMuy Flamencoな事か。。。。。。。 その場ですごいテンションで大興奮という感じではないのですが、後からじわじわ と胸にせまってくる。終わって一杯飲んでいる間もジーンと心に残っているという感 じなのです。 その一杯飲んでいる時に彼と話していた事なのですが、どうもバックから温かさが 感じられなかったと私が言うと、イヤ、あれは、一瞬も気が抜けない状態だったのだ と思うとの事。パルマにしろ、止まるタイミングにしろ確かにそうだった。1つの作 品として、こういう形もあるのだなあと妙に納得した次第です。 それと、もう一つ非常にショックを受け、胸高鳴ったのが、10月にセビージャ郊 外のロスパラシオスで行われたファルキート達の公演です。これは、ファナ・アマ ジャとファルキート、弟のファルーの出演でした。なかなかセビージャではファルキー ト達の公演がなくやっと見る事が出来たものでした。ファルキート達を見るのは、日 本にファルーコのファミリアとして来て以来で、その時のファルキートはまだ少年ぽ さがただよい、ファルーは本当に小さかった。。。客席に座るとずらっと後ろにファ ルキートのファミリア達が座り、それは何とも凄い光景でした。3人のシギリージャ ではじまり、ファルーはグアヒーラ、ファルキートはアレグリアス、ファナはソレア と踊りましたが、3人の最初の姿にただただもー私はボーゼンとなりました。なんと いう存在感!!!!! ファルーはうすい水色のスーツに真っ白の靴をはき、やんちゃぶりの残る雰囲気の 体でグアヒーラを踊るその違和感がおもしろく、これはタンゴに移行し、客席の後ろ から「ファルー!ファルー!!」と黄色やドスのきいた声が飛び交い、もうニヤニヤ と笑いがうかんできてしまうという感じ。かわってファルキートが独り舞台に現れる と、彼の空気に舞台ががらっと変わり、品があり、彼の姿は光を放っていました。 踊り出すと彼はもう少年ではなく、大きなものを背負った誇り高い男性でした。そ して自由自在の体と強烈なコンパス感、リズム感!こんなものは見た事がないという ほどのショックを受け、そして喜びが胸に迫りました。彼からは、自分達の歴史を必 死に戦って守っていくという意志のようなものが私には感じられました。 私の現在の師であるファナは、確実に彼女のソレアを踊ったのですが、やはり、 ファルキート達とは放つものが少し違い、客席の後ろが気持ち静かになってしまったの はちょっと残念でした。 そして、最後のフィン・デ・フィエスタでは、ファナは姉のような温かい顔で皆を 包み、ピラールの息子や、ファナの娘も踊り、大変な大盛り上がりとなりました。 ここで、何と!亡きファルーコのバストンを使い、ファルキートが、ファルーコの ようにブレリアを踊ったのです。私は涙が出そうになりました。そしてそのバストン は踊り終えるとそーっと弟のファルーへと渡されたです。。。。。。。。 そうです。この公演では、敬意を表し愛するそれぞれの人の姿が確実に伝わってき たのです!!!書いていて少々興奮ぎみになってしまいました・・・・・ 最後にここスペインに来て思う事は、こういう素晴らしい瞬間に出会える機会がこ こでは多くあるということです。そしてビエナルなどでも大きく感じたことですが、 フラメンコに敬意を表し、愛しているという事が、出演者、そして客席からも大変な 勢いで伝わる機会に出会う事も多いという事です。自分と比較するなんて恐ろしいで すが、ケタ違いな技術はもちろん、背負っている重さと、抱えている愛が大きく違う 事を痛感しています。それも受け入れて少しずつ少しずつやっていくしかないのです が・・・・・・・ それでは又。 皆様良いお年をお迎えくださいませ!

−フッチーのコメント2− セビージャに住んで半年、この間ビエナルも含めいくつかの舞台を見る機会にめぐ まれた。節操がないと言われてしまうかもしれないが、舞台を見るたびに好きなアル ティスタが増えていく・・ でもこれは正直な気持ち。先日ファルキートの踊りをはじめて見た。残念ながらそ の時の状況を表現出来る適切な言葉を僕は持っていない。ただひとつ、僕は自分に対 し「あなたは何者?」という以前から抱えていた問いを正面からつきつけられた。さ てどうする。。。。。

− Rieと相棒ふっちーのスペイン通信 −
慶子先生、それからEstudio Paloma Blancaの皆さん大変ご無沙汰しております! それから初めての方は、どうもはじめまして。。。 大変お待たせいたしました。イヤイヤ本当に面目ありません。渡西後半年近くに なってやっと 一通目の便りとは***パソコン音痴と元来怠け者の性格ゆえ、ここまで引き伸す事となっ てしまいました。これから少しずつスペイン通信としてお便りさせていただきま す。どうぞよろしくお願いします。 まずは、自己紹介から始めます。私Rieは、こちらのEsutudio Paloma Blancaにて小島慶子氏 に師事し、そして今年6月に日本を発ち、今はスペインセビージャで生活を楽し みつつフラメンコを勉強しております。ちなみに、この渡西には、ギター修行中の相棒ふっ ちーという人が一緒。さて「二人でスペインに来られるなんて幸せダネ!」等などありがたいお 話をもらう事もありますが、二人でいるという事は、喜びも倍増、苦しみも倍増、怒りも3倍 増というのが基本!!特にこの相棒は、頭の中には、ギターのことしかないらしく、こういう 人 間と生活するとなかなか忍耐強くなる。やれやれ。。。 さてさて、話は6月に戻りスペインに来たはいいけれど、スタジオの場所もわか らなければ、住む家も決まっていない状況。地図を片手に暑いセビージャ町中をひた すらひたすら歩く日々。おま けに私たちのスペイン語力は二人合わせて3分の1人前。(今も余り上達してい ませんが。。。)新鮮さを感じる前に不安なる日々の連続。。。。。。。 今でこそ落ち着いて振り返る事ができるけど、思わず苦笑いになってしまう。 でも、ここで私は、声を大にして言いたい!!いいんです。わからない事だらけ で、不安だらけ なんて当たり前です。何の戸惑いも感じず馴染んだ人もいるかもしれませんが、 超不器用な私達は、ヘトヘトから始まったため何気ない事を1つ為し得た時の喜びは、それはう れしい物でした。スーパーのパック販売の肉ではなく、g単位で肉を切ってもらって買った時 とか、やっと見つかった家のテラサで、夕焼けを見ながらビールを飲んだ時とか、恐ごわ入った 地元のBarのキッチンからサービスでタパスが出て来たとき等など、最初は、何週間も肉屋の店 員の前を通りすぎて、ウロウロ注文できないまま帰ったり、小奇麗な店を選んで、高いBarに 入っていたり、いつまで日払いの狭い一室で暮らさなきゃならないのかとドヨーンとしていた りだったのですから。まーどうにかこーにかこのような事を何度も繰り返し現在に至っており ます。。。 そして、11月のセビージャは、急に寒さを増しだんだんと冬が近づいて来てます。 この時期は、 とても雨が多いとの事で気持ちも少し憂うつ。夏のあの暴力的な太陽 がなつかしい! では、今回はこの辺で。。。 次回は少しフラメンコの話題にふれてみたいと思います!!
−今回のふっちーコメント− はじめまして。相棒のふっちーです。何の因果かわかりませんが、ギター修行僧 となり、アンダルシアで暮す現在。なんとも生きるという事は、つらくそしておもしろいもので す。次回からましなコメント考えます。さて、練習、練習。。。。